こんにちは!『The Crafty Garden Lab』の管理人Kouです!
今回のテーマは『人気のオペルクリカリア・パキプスを種から育てる』です。
オペルクリカリア・パキプスとは
オペルクリカリア・パキプスは、塊根植物(コーデックス)好きの人たちの中でとても人気のある、『パキプス』と呼ばれる植物です。オペルクリカリア・パキプスは塊根植物の一種で、ウルシ科オペルクリカリア属パキプス種のことを指しています。オペルクリカリア・パキプス(属名+種小名)と呼ぶのが正式です。
| 分類 | 詳細 |
| 科名 | ウルシ科 |
| 属名 | オペルクリカリア属(Operculicarya) |
| 種小名 | パキプス(Pachypus) |
| 成長型 | 夏型塊根植物 |
| 自生地 | マダガスカル南西部の乾燥地帯 石灰岩質(アルカリ性)が基盤の土地 |
| 特徴 | ・成長は非常に遅い ・葉はとても小さく丸い。 ・気温が下がると真っ赤に紅葉する。 ・塊根植物のほとんどは雌雄異株です。 ・花は晩冬に黄緑色の直径2mm程の花が咲く。 |
自生地と環境
マダガスカルの乾燥した石灰岩質を基盤とした土壌に自生しています。石灰岩はアルカリ性を示すため、用土の構成はpH7.0〜7.5を目安にすると良いです。下の『播種』の項目にわたしが配合した用土の割合を載せているのでそちらを参考にしてください。
雨季(成長期)と乾季(休眠期)のメリハリがある環境に生きるため、強い光、高温(自生地は40℃に達することもあります。)、乾燥、良い水はけが必要です。
可能であれば、
・ 強い光を与え、
・ 用土表面がしっかり乾燥したら鉢底から滴るくらいにしっかり水を与えられる、
・ 35℃くらいの環境
を整えられると自生地の環境に近づけられそうです。
育成環境

屋内にシルバーラックで育成ブースを作っています。クリアケースにポッドを入れて発芽するまでは蓋をしています。発芽後は1週間後に蓋を撤去するように徐々に蓋を開けています。
◉クリアケース
アステージ STボックス クリア #22 AST-474
◉メタルラック
メタルルラック 幅90 5段 収納棚 幅90×奥行46×高さ180cm 全体耐荷重400kg キャスター付き ポール径25mmパーツ対応 EL25-90185 このメタルラックとクリアケースを使用しています。サイズ感はクリアケースが少し(取手分くらい)はみ出るくらいです。
◉温度
30℃前後
◉湿度
100%(日に数回、様子見を兼ねて蓋を開けて換気しています。)
◉光量(BRIMのLEDグローライト)
6,800〜8,300LUX(蓋とプラダン越しの光量です。グローライト直下では45,000〜50,000LUX(窓越しの太陽光と同じくらい))
【公式】BRIM(ブリム) PANEL A 植物育成ライト LED パネル 【国内ブランド】フルスペクトル IR/UV 搭載 PL-A (2, 45W 温白色)
◉水やり
腰水1cm
発芽処理
オペルクリカリア・パキプスは、購入時には果皮が付いていることが多いと思います。さらに硬い殻に覆われているため、発芽処理を行うことで発芽率が上がります。
◉果皮を取り除く
画像は果皮が付いている種子です。少し水に漬けるとふやけて爪でガリガリすると取れるようになります。
↓
◉『蓋』を取り除く
果皮を取り除くと『蓋』と呼ばれる部分が見えます。それを取り除きます。蓋は種子の左下にあります。カッターナイフなどの先端が尖ったものを蓋の縁にグリグリ差し込むとポロッと取れます。あまり力を入れすぎてグリグリすると中身に突き刺さってしまうので力加減が重要です。
↓
◉殺菌と浸漬
無事に蓋を開けられたら、ベンレートとメネデールを希釈した液に種子を浸漬します。1リットルの水にベンレート0.5gとメネデール10mlを入れると、推奨される規定の希釈率になります。
◉浸漬時間
24時間浸漬します。
播種と発芽
種子を浸漬させたら用土を配合して播種します。
◉用土

以下の分量で用土を配合し、育成環境の温度に温めます。用土はそれぞれをザルでふるって微塵を取り除くと良いです。ポッドに用土を入れてから水をたっぷりかけて、さらに微塵を取り除きます。
軽石:40%
鹿沼土:30%
硬質赤玉土:10%
ゼオライト:10%
くん炭:5%
ココピート:5%
マグァンプK:規定量
この配合でpHを測定したところpHは6.86でした。
◉播種(2025/12/6)

ポッドに用土を入れ、蓋を上向きにして用土の上に置きます。覆土は必要ありません。殺菌と浸漬に使ったベンレート、メネデール希釈液を腰水に使います。
◉発芽1日目(2025/12/8)

発芽しました。発根した根が上向きに伸びて土に入ったので、徒長したようにヒョロっとしています。
◉発芽5日目(2025/12/12)

湿度が高いからか根が空気に触れている部分にたくさん出てきたため、根の部分を埋めて様子をみていたら本葉が展開してきました。
もう一つのパキプス
成長過程を追っているオペルクリカリア・パキプスの他にもう一つ育てているパキプスがあります。そのパキプスは、子葉が出てからすぐに成長点が黒く枯れたようになってしまいました。子葉や茎がまだ生きているようだったので様子をみていたら、成長点がまだ生きていたようで本葉が出てきました。発芽から約1カ月後のことです。パキプスは発芽してから1週間程度で本葉が出てくるのでかなり遅れましたが、しっかり本葉が出て成長を続けてくれています。生きていてくれてもとても嬉しいです。
その様子を載せるので、是非見てください。
◉発芽1日目(2025/11/12)

この画像は発芽してすぐを撮ったものなので、成長点はまだ緑色です。このあと数日で成長点が黒くなってしまいました。成長点が黒くなった画像は、このまま枯死してしまうと思い画像は撮っていません。
◉発芽27日目(2025/12/8)

本葉が出てきました。黒くなった成長点はわからなくなっています。
◉発芽34日目(2025/12/15)

本葉が出てきてから1週間で次の本葉が出てきています。
まとめ
◉果皮と種子の蓋を取り除く。果皮をしっかり取り除かないと殺菌剤を使ってもカビます。
◉ベンレートとメネデールで殺菌しつつ浸漬する。
◉殺菌しても蓋が開いたところからカビは生えます。恐らく発芽能力がない種子だと思います。発根している種子からはカビは生えませんでした。
◉軽石4、鹿沼土3、硬質赤玉土1、ゼオライト1、くん炭0.5、ココピート0.5の混合比だとpHは6.86になりました。
◉蓋を上にして覆土はしない。
◉余った浸漬液は腰水で使用。
購入サイトの紹介
1. SEEDSTOCK
いつもお世話になっている販売サイトです。塊根植物や多肉植物が豊富にあります。

2. 育苗ポッド
今回は『プレステラのホワイト深型75』を使用しました。プレステラは色々な色のポッドがありサイズも豊富なのでオススメです。
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今回はここまでになります。今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m


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