実生ペラルゴニウム・クリズミフォリウム【種子の下準備から発芽まで】

こんにちは！『The Crafty Garden Lab』の管理人Kouです！
今回のテーマは『山伏天狗と呼ばれるペラルゴニウム・クリズミフォリウムを種から育てる』です。

ペラルゴニウム・クリズミフォリウムとは
自生地と環境
発芽処理
播種と発芽
まとめ
購入サイトの紹介

ペラルゴニウム・クリズミフォリウムとは

　ペラルゴニウム・クリズミフォリウム（Pelargonium crithmifolium）は、そのユニークな樹形と塊根から、塊根植物愛好家の中で非常に人気が高い品種の一つです。日本では、その渋い見た目から「山伏天狗（やまぶしてんぐ）」という和名がついています。

分類	詳細
科名	フウロソウ科
属名	ペラルゴニウム属（Pelargonium）和名テンジクアオイ属
種小名	クリズミフォリウム（Crithmifolium）
成長型	冬型塊根植物
自生地	・ナミビア南部、南アフリカ。・非常に乾燥した砂漠地帯。・年間降雨量は80mmほど。・冬に雨が振り、しばしば濃い霧が発生する。
特徴	・幹や枝は太く、ボコボコ、ムチムチとした不整形で奇妙な形状に成長します。この太い幹に水と養分を蓄えます。・幹はジャガイモ色の厚いロウ質の表皮に覆われており、水分の蒸散を極限まで減少。幹自体が光合成を行うことも可能。・葉はにんじんの葉のようで、つぶすとショウガやナツメグのような爽やかな香りがある。・花は春に咲き、枝の先にクリーム色や薄いピンクの花を咲かす。

自生地と環境

　年間を通して日当たりと風通しの良い場所で管理することが重要です。日光不足は枝が徒長する原因になります。
　生育期（秋〜春）: 直射日光が長時間当たる場所で管理します。日光と風通しが不足すると徒長し、弱い株になります。土が完全に乾ききってから、さらに数日待って灌水するほどの「辛めの管理」が基本です。
　休眠期（夏）：葉を落として休眠に入ったら、水やりを控え、断水気味に管理します。
　成長：成長は非常に遅いため、気長に育てる必要があります。
　耐寒性：比較的寒さには強いですが、霜には弱いため、真冬は室内の明るい窓辺で管理します。できれば、グローライトで強い光を当ててください。

発芽処理

　ペラルゴニウム・クリズミフォリウムの種子は、特に発芽処理することはありません。しかし、愛好家の間では、種子に付いている長い毛（芒：のぎ）を除去したほうが発芽率が良くなるという話もあります。
　メネデールとベンレートの混合希釈液で殺菌しています。メネデール希釈液だけでもいいですが、カビ防止にもなるので必要な方はベンレートで殺菌してください。

殺菌と浸漬
ベンレートとメネデールを希釈した液に種子を浸漬します。１リットルの水にベンレート0.5gとメネデール10mlを入れると、推奨される規定の希釈率になります。
浸漬時間
24時間浸漬します。

播種と発芽

　種子を浸漬させたら用土を配合して播種します。

用土
以下の分量で用土を配合し、育成環境の温度に温めます。用土はそれぞれをザルでふるって微塵を取り除くと良いです。ポッドに用土を入れてから水をたっぷりかけて、さらに微塵を取り除きます。
軽石：40%
鹿沼土：30%
硬質赤玉土：10%
ゼオライト：10%
くん炭：5%
ココピート：5%
マグァンプＫ：規定量
この配合でpHを測定したところpHは6.86でした。もう少しアルカリ寄りにしたいときは、くん炭を5%から10%に増やしてもよいと思います（他の分量は変えずに。）
播種（2025/11/4）
ポッドに用土を入れ、播種した種子の上にバーミキュライトで覆土します。覆土の厚さは2mmほどで種子が見えなくなるくらいにします。殺菌と浸漬に使ったベンレート、メネデール希釈液を腰水に使います。
発芽まであと一歩（2025/11/7）
前日の夜、覆土が盛り上がっていたため発芽しているかも。と思い朝起きて確認すると芽が出ていました。
発芽（2025/11/8）
子葉がでました。播種から5日目で発芽です。